なつかしい日本の情景・たけなかアトリエ

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2019/09/30 18:40

心を鍛える和歌作り

この度、皇居勤労奉仕に行ってまいりました。
私たちの勤労奉仕団は、ただ皇居へ行って清掃活動する物見遊山のような団ではありません。
参加する前には何度もご皇室や日本の歴史について学び、また和歌についてもたくさん勉強してきました。
奉仕団団長の窪山忠成さんはかつて師である占部賢志先生から「心を鍛えるには言葉を鍛えなければならない。そして言葉を鍛えるには和歌を詠むのが一番だ」と教わったそうです。

なぜ和歌を詠むことが言葉を鍛え、心を鍛えることにつながるのか?

学びの中で実際に和歌を作ってみるうちにだんだんとその意味がわかってきました。
和歌を詠んでみるとわかるのですが、三十一文字の中で表現するのは簡単なことではありません。
しかも和歌を作るには、幾つかのルールがあります。
その中で最も大切なのは、自分の感じたことをそのまま素直に詠むことです。
自分を良く見せようとして使い慣れない言葉や技巧的な言葉を使って偉そうに見せる心を取りさらなければなりません。
これが簡単ではない。
素直な心を三十一文字の中に収めるためには、いったい自分は何に感動したのか。どんどん心と向き合い掘り下げていかなければなりません。
そうして心に向き合い短い調の中に整えていく過程で、どんどんと心の鎧が剥がされていく気がしてきます。

ああ、このことが心を鍛えるということか。と思いました。

そんな学びを続けていくうちに、気付くこともたくさんあります。
例えば歴代の天皇陛下の詠まれた御製はどれもとてもシンプルで難しい言葉も使わず、まるで高校生が作ったのかというような歌がたくさんあります。

でも、私たちに和歌を教えてくださる小柳左門先生は「一見簡単でシンプルに見えるこのような歌を作るのは、実はとても難しいことなんだよ」とおっしゃいました。

今の日本では、心が不安定な人が引き起こすニュースに溢れています。
荒れたり閉ざしたりしている子供たちの心も心配です。

小柳左門先生のような方に和歌を作ることを教わると、大人も子供も気付かぬうちに心が素直になり、そして鍛えられていくような気がします。

来週10月11日もまた先生に学ぶ和歌の塾が行われます。
興味ある方はご連絡ください。